やなせたかし アンパンマン

 更新日  2018/08/20

やなせ たかし(本名:柳瀬 嵩、1919年2月6日 – 2013年10月13日、満94歳没)は、日本の漫画家、絵本作家、詩人。『アンパンマン』の生みの親、『手のひらを太陽に』の作詞家として知られる。

絵本作家・詩人としての活動が本格化する前までは頼まれた仕事はなんでもこなしたといい、編集者、舞台美術家、演出家、司会者、コピーライター、作詞家、シナリオライターなど様々な活動を行っていた。34歳(1953年)で漫画家としてデビュー。69歳(1988年)の時に、『アンパンマン』がアニメ化して大ヒットする。


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正義

・正しいことをする場合、必ず報いられるかというと、そんなことはなくて、逆に傷ついてしまうこともあるんです。傷つくかもしれないけれど、それでもやらなければいけないときがある。

・逆転しない正義とは献身と愛だ。それも決して大げさなことではなく、眼の前で餓死しそうな人がいるとすれば、その人に一片のパンを与えること。

スーパーマン

・我々が本当にスーパーマンに助けてもらいたいのは、たとえば、失恋して死にそうな時、おなかがすいて倒れそうな時、あるいは旅先でお金がなくなった時、その他いろいろあるわけで、そういう細かいところに気がつく優しいスーパーマンがいてほしいのです。鉄橋もちあげたり、全くいそうにもないビニール製の怪獣をなぐりつけてもらっても、あんまり心から喜べない。本当のスーパーマンは、ほんのささやかな親切を惜しまない人だと。そして、そういう話をいつか描きたいと考えたのです。

努力 継続は運

運をつかむには、自分のやりたいことをずっと継続して、やめないことだ。「継続は力なり」という。同時に「継続は運」なのだ。「運がよけりゃ」と、棚の下でぼた餅が落ちてくるのを待っていても、そんな好都合なことは起こらない。自分でぼた餅をつくってこそ、類は友を呼ぶではないが、いろんな餅が寄ってくるのだと思う。自分自身も、世に出なくとも、代表作がなかなか描けなくても、黙々と漫画を描き続けてきた。アンパンマンはそうした長い歳月から生まれた「運」だったのだ。

・努力は確かに辛いところもあるけれど、辛いというのは意外と面白いところもある。結局は本人が好きだったら、それに耐えていかれます。もちろん、その途中は生やさしくはありません。趣味でやるならいいけれど、プロになるなら人の何倍かやらなくちゃいけない。一つは運、一つは才能、一つは努力。だから一つの運に恵まれないとやっぱりダメなんです。運をつかむためには本人が努力してなくちゃいけねいということです。

・チャンスは誰にでも平等にある。「どうせ、オレなんてダメだ」と言っている人は、チャンスをつかもうとしていないのではありませんか。

・好きなことならコツコツ努力することもつらくはない。楽しみながら、いつの間にか何かをつかむこともできる。だから、好きなことを見つけて、それを一生、やっていってほしい。見つからないなんて言っていないで、とにかく必死で探すのだ。絶対に何かひとつはあるはずだ。

・一歩一歩、平凡に生きていくことは人の記憶には残りにくい。だが、その平凡なことを何十年も続けていくと、いつの日か、遠大な目標も果たされるのだ。当たり前のこと、小さなことをおろそかにしては、目標や希望にはとうてい手が届かない。長い人生を生きてきて、ぼくは心からそう思っている。

仕事 チャンス

・「やなせさんはずーっと順調にきていて、一度も挫折したことがありませんね」と言われることがある。とんでもない。挫折というのは途中で駄目になることだが、ぼくは四十歳を越えてもまだ五里霧中で、挫折どころか、出発していなかった。

・若い人には、好きなことができる職業についてほしいと言いたい。好きなことなら、少々労働条件が悪くても、つらいとは思わない。絵を描くことが好きなら、画家や漫画家になるだけじゃなく、美術館で働くとか、絵本をつくるといった仕事もある。スポーツが好きだけどプロでやれるほどではないなら、スポーツグッズ関係の会社で仕事をするとか、道はいろいろある。そんな仕事を見つけてほしい。絶えず探し求め、探し続けていなければ、チャンスにはめぐり合えない。失敗を恐れず、挑戦してみることだ。

・お金持ちになれる正しい原則は良心的なおもしろい仕事をすることです。

・難しい仕事や未知の仕事には、好奇心と冒険心をそそられる。新しいことに挑戦するのはすごいチャンスだと思う。声をかけられたら、「できない」と断らずに、無理やりでもやってしまえばいいんだ。専門分野以外の仕事をしているうちに、それが化学変化を起こしていくこともある。新しい人間関係が広がることもある。仕事は、人と人のつながりで来るものだ。いろんなことをやっていく中でめぐり会う人が、新しいチャンスや可能性を連れて来てくれる。

・漫画家でも、作家でも何でも良いんです。経験したことすべてが役立つんです。だから失恋しても、泥棒にあっても、戦争にあっても、病気しても、目の前に起こることすべてが役立つんですよ。僕にとって漫画っていうのは、それを集約して作品にしていくってことなんですね。

・「人が喜ぶかどうか」が何よりも大事だと思うんです。 (アンパンマンミュージアムについて)

それぞれが自分にできることをやる

・それぞれが自分にできることをやる。そうしたことが積もり積もって、社会をよい方向に動かしていく。

・困っている人を助けるといっても、一人ひとりの力はきわめて小さい。自分自身だって非力で、大したことはできないこともわかっている。でも、一人で世の中全体を救うのは無理でも、身のまわりの五~六人ぐらいになら、手をさし伸べることができるだろう。この五~六人がまた、身のまわりの五~六人に手をさし伸べる気持ちになってくれたら、助けられる人は、二十人、三十人と広がっていく。こうして、助け合うことが徐々に広がっていけば、やがては世の中全体が救われていくのではないだろうか。

恥をかいてもやってみるほうが人生はおもしろい

・「恥ずかしいからやらない」のではなく、「恥をかいてもやってみる」ほうが、人生はおもしろいし、そこから得るものがある。一生懸命やって失敗しても、それは頼んだほうが悪い。そう思えば気が楽です。

面白い・楽しいを見つける

・おもしろくない。そんなの損だ。嫌なことは考えない。とにかくおもしろいことを探す。

・やりたくないけれど、やらなければならないことは趣味にしてしまえばいい。というのは、我ながら大発見。

・病気になったらなったで、そこで楽しみを見つけ、おもしろがっている。

・今自分がやっている仕事だって、それで誰かが助かり、誰かがよろこんでいるはずだ。「この仕事は向かない」「この仕事は不満だ」と言って、熱を入れずにただウロウロしているだけなら、一生、そのままで終わってしまう。つまらないなら、どうすればおもしろくなるかを考え、自分で工夫してみるといい。そうすると、どんどんおもしろくなっていく。満足感も高まって、しだいにそれが天職だと思えるようになっていくのだ。

人生 生きる

・危難と地獄、辛酸のなかに重要な何かがある。長い人生では、一回や二回は地獄を通過したほうが、かえっていいのかもしれません。

・つらくても、さびしくても、うなだれて生きるのは好きじゃない。

人生、先のことはわかりません。僕も兵隊に行ったり、病気をしたり、将来に絶望したこともあったけれど、それでも今日一日、今日一日と生きてきました。それが重なって、いつのまにか92年がたちました。朝、起きたら、今日一日、一生懸命やろうと思う。一生懸命やれば、人を喜ばせることができます。それでいいんです。

・あんまり深く突き詰めて考えない。「今日を楽しむ」と考えていけば、何とかやっていけるんじゃないかな。

・人生、何があっても、これで終わりなんてことはないのだ。

・今の日本も昔の日本も同じ。絶えず激動しているんだ。世の中というのは、決して静かにならない。その中で、我々は日々、生きていくわけです。一寸先はなんだかわからないけれど、生きていくのが我々です。それが人生なんです。

・一瞬を一生懸命生きるということと、目の前にいる人を喜ばせる。毎日、それをやっていきます。それしかありませんね。きっと、これからも。

・子どもだって同じだ。悩んだり、すねたり、反抗したりしながら成長していく。善だけの純粋すぎる心では、精神的な抵抗力もなく、社会に出て生きていけない。他人の心も理解できないアンバランスな人間になってしまう。悪の心がゼロでは、人間としての深みも味わいもなくなってしまうし、文字や芸術、漫画だって楽しむことができない、つまらない人間になってしまう。悪の心をゼロにせず、大きくもせず、バランスをとることが大切なんだ。

ユーモア 笑う

・人間というのは、やはりユーモラスでなければいけない。ユーモラスとは「ヒューモア」。つまり「人間的」であること。苦しいことやつらいことも、ユーモアで乗り切るのが「人間らしさ」なのではないかな。

・笑う筋肉が動くと、笑う心も動くのです。

悲しみ 喜び

・「悲喜こもごも」という言葉がありますが、まずは悲しみが先にやってくる。人間が生きていることを感じるのは、悲しいときのほうが多いのです。

・病人になっても泣いているのではおもしろくない。僕は病気になってあんまり悲しんだりはしない。だって、損だから。

・人間が一番うれしいことは何だろう?長い間ボクは考えてきた。そして結局、人間が一番うれしいのは、人間をよろこばせることだということがわかりました。実に単純なことです。ひとはひとをよろこばせることが一番うれしい。美しく生まれたひとは、その美しさで、ひとをよろこばせることができます。学問のあるひとは、学問で、ひとをよろこばせることができます。絵をかけるひとは、絵をかくことで、ひとをよろこばせることができます。 歌えるひとは、歌で、ひとをよろこばせることができます。なぜおいしいお料理をつくるか。お料理を食べたひとが「おいしい!」といってよろこぶのがうれしいからです。『もうひとつのアンパンマン物語』

・人生の最大のよろこびは何か? それはつまるところ、人をよろこばせることだと思った。「人生はよろこばせごっこ」だと気づいたとき、とても気が楽になった。ぼくの歌の中で代表作のように言われている「てのひらを太陽に」の一節は、「生きているからかなしいんだ」である。よく「なぜ悲しいんですか」と聞かれる。悲しみがなければよろこびはない。不幸にならなければ幸福はわからない。空腹のときに食べるラーメンがどんなにおいしくて、幸福なのかは実感できない。

幸福

・幸福とは何だろう。幸福の正体はよくわからない。お腹をすかせて一杯のラーメンがとてもおいしければ、それは本物の幸福だ。十円には十円の幸福があり、一億円には一億円の幸福がある。インスタントラーメンも、シューマイ弁当も、アンパンも、ときにはパリの高級レストランの食事よりおいしい。

・健康でスタスタ歩いているときには気がつかないのに、病気になってみると、当たり前に歩けることが、どんなに幸福だったのかと気づく。幸福は本当はすぐそばにあって、気づいてくれるのを待っているものなのだ。

アンパンマンの主題歌 アンパンマンのマーチ


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それいけ!アンパンマン 「アンパンマンのマーチ」(1988年)
作詞:やなせたかし

そうだ!嬉しいんだ生きる喜び たとえ胸の傷が痛んでも
何の為に生まれて 何をして生きるのか 答えられないなんて そんなのは嫌だ!
今を生きることで 熱いこころ燃える だから君は行くんだ微笑んで
そうだ!嬉しいんだ生きる喜び たとえ胸の傷が痛んでも
嗚呼アンパンマン優しい君は 行け!皆の夢守る為
何が君の幸せ 何をして喜ぶ 解らないまま終わる そんなのは嫌だ!
忘れないで夢を 零(こぼ)さないで涙 だから君は飛ぶんだ何処までも
そうだ!恐れないでみんなの為に 愛と勇気だけが友達さ
嗚呼アンパンマン優しい君は行け!皆の夢守る為
時は早く過ぎる 光る星は消える だから君は行くんだ微笑んで
そうだ!嬉しいんだ生きる喜びたとえどんな敵が相手でも
嗚呼アンパンマン優しい君は行け!皆の夢守る為

 - 漫画家・アニメ関係

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